-Summary-
展示空間に糸を張り巡らせるインスタレーションや、ドレス、ベッド、靴や旅行鞄など、日常生活のなかで人が使用した痕跡と記憶を内包するマテリアルを用い、大規模な作品を制作するベルリン在住の塩田千春。彼女は、使用する様々なマテリアルを独自の手法により構成し、完成した展示作品は卓越した美しさを保ち、新鮮さ、力強さを失うことなく、われわれの心と身体に静かに浸透して行く。ゆえに、彼女の作品は、言葉や文化的歴史的背景、政治・社会状況の違いを越えて、世界各国の鑑賞者に感動を与え、これまで日本、欧米、中東、オセアニア、そしてアジア諸国など、約200の展覧会で紹介されている。約120年の歴史をもち世界的な評価を得るヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展。2015年、日本代表作家として第56回の同展の日本館に出品し各国から来場した鑑賞者、批評家、メディアから高い評価を得た展示《掌の鍵》を、今回帰国記念展としてKAAT神奈川芸術劇場で再構成し新作を展示します。本展でも、ビエンナーレで使用した大量の赤い糸、世界中から提供された人が使った鍵そして新たに5つの古い扉を使用し《鍵のかかった部屋》と題し制作展示します。塩田特有の、新鮮さ、力強さを発する本作は観る者の心を大きく揺さぶることでしょう。
引用:http://www.kaat.jp/d/shiota_kagi