-Summary-
もう、誰も止められないのよ、破滅に向かって走り始めているんだから・・・
原作者つげ忠男は、兄・つげ義春の影響でマンガを書き始め、沈黙の時代をはさみながら断続的に作品を発表している孤高の漫画家。本作は「成り行き」から、釣りに出かけ、偶然男女の争いに巻き込まれ、衝動的に殺人を犯してしまう老人たちを描いた「成り行き」、花見で偶然の出会いから殺し合いにまで発展してしまう男女の惨劇を凝視する初老の男「夜桜修羅」、戦後間もない頃のバラックで暴れる無頼漢サブの愛と別れ「懐かしのメロディ」、「つげ忠男シュールレアリズム」から、行きどころのない老人の彷徨を描いた「音」、この四作品に、瀬々監督が自らのオリジナル「バス事故に運命を翻弄される人々」を加え、ひとつの物語として作り上げた意欲作。